物事を始めるとき「いつやるか、今でしょ!」は本当か?

人と人生
知子
知子

「いつやるか、今でしょ!」という言葉を林先生が流行らせました。
実際のところ、今すぐやるっていい事なんでしょうか?

博士
博士

「明日やろうは馬鹿やろう」なんて言葉もあるね。けど、「明日でいい事は今日やらない」というマニャーナの法則なんてものまであるな。

知子
知子

そうなんですね!一体どっちが正しいのでしょう?

 

今すぐやることは本当に大切なのか?

熱血志向の「今すぐ」論

・思い立ったが吉日
・チャンスの神さまは前髪しかない
・明日やろうは馬鹿野郎
などなど。

何事も、思いついたらすぐやろう、という考え方があります。
冒頭の林修先生の「いつやるか、今でしょ!」というのもその流れの考え方ですね。

全体的に熱血感がつよくて、とにかく急げ!とにかくやれ!みたいな感じを強く受けます。
逆に多くの場合、そういったモチベーションの高さに憧れる人も多いので、こういった考え方は広く受け入れられているように思います。

勢いばかりで間違いを犯す人たち

一方で、仕事関係の中でも、やたらと勢いはあるけどそのせいでミスばかりを行う人がけっこういます
猪突猛進とでも言いましょうか、勢いだけで動いてしまう。
結果、周囲を巻き込んでとんでもない問題を起こしたり、「そうじゃないでしょ!」と言いたくなるような行動を誰に相談するでもなく突き進んでしまったりする。

余談ですが、機動戦士ガンダムに「ゴック」というモビルスーツ(戦闘用ロボット)があります。
この、ゴックは水中を登頂を前にして進むことができますが、頭頂に視界はありません。
前を見ず進んでいる姿がなんとなくそんな人とかぶってしまいます。

これをみてると、勢いだけじゃなくて、ちゃんと周囲の安全確認したほうがいいんじゃないですか?と思うことがあります。

今すぐやらないことのすすめ

今必要なければ永遠に必要ない?

最近はだいぶいろんなところに浸透した、チームを作る簡単ワーク『GOOD&NEW』の開発者、ピーター・クライン博士はある著書のまえがきにこんなことを書かれていました。
「今やらずに済ませられることは、今やらなくともよい。そういったものは、多くの場合、永遠にやる必要のない事だから」

これは経験的に一理あるな、と思います。
実際に、「やらねばならぬ」と思っていることの一部はあくまで思い込み。
実はやらずに済ませることも結構あると思います。
あくせくと、日々忙しくするばかりではなく、しっかりと空白をとって、物事を熟考するほうが大事、という意見もあるようです。

リアルビジネスなどでも待つことが良い事も

筆者の経験上においても、特に新しい事は、いきなり走り出すより、
少し様子を見てから、というのが正解という事が多いように思います。

たとえば、あるeLaerningを構築するWEBサービスですが、
みんなこぞって使い始めましたが、私は静観しました。
早くから使われた方に聞くと、クレジットカードでの課金時にいろいろとトラブルがあるそうです。
それを知ったうえで、業者を選別した人は、つまずくことなくうまくeLearningサイトを構築できたようです。

なぜ「すぐやる!」という事が美化されるのか?

合理的理由というよりも……

ビジネスの場合、先行者利益があるケースもあります。
この場合、当たれば利益はメチャクチャ大きい。
しかし、当たらない可能性も結構高い。
つまり、ハイリスク・ハイリターンです。

むしろ、二番手を目指す戦略をとる企業なんかもあります。
ブルーオーシャン戦略は、ライバルがいない分、試行錯誤に時間とお金と労力がかかります。
だから早ければいいってものでもない。

じゃあ、なぜ、ここまで「すぐやる!」という事が美化されるのでしょうか。

それは、ぐずぐずしていると、「やらない理由」が次々と浮かんでくるからではないでしょうか?

eGamingImageryによるPixabayからの画像

「いつやるか?」よりも「本当にやるのか?」問題

ここから話をまとめていきたいと思います。
人は、何かをフッと思いついた瞬間は、けっこう高いモチベーションを持っています。
これって純粋な「望み」であり「夢」なんですね。
しかし、少し遅れて「遅い脳」といえる左脳があれこれ論理的に物事を判断し始めます。
論理的というより、自制的にといったほうがいいかもしれません。

自分を守るために新しいことをやらせないぞ、とばかりに左脳君は「やらない理由」を次々と考えだします。だから、思いついたことはたくさんあるのに、実行することはごくわずか、なんてことがあります。

「すぐやろう!」という言葉が今も信じられている背景には、そんな教訓があるのではないでしょうか。
逆に言うなら、すぐにやろうがゆっくりやろうが、やるかやらないこそがとても重大な問題である、という事なのではないでしょうか。

そして少し違うレイヤーの議論として、やろうと思ったからといってそれが「常に合理的にやるべきことである」というわけでもないという事。立ち止まって考えれば、やらなくたっていいんじゃない?というものも結構ある。
今日やらずに済むものは、永遠に不要という考え方の根底には、そういった選球眼を持て、という教訓なのではないでしょうか。

ポイント

・今すぐやろうという考えは、必ずしも得策とは言えない
・今やらないでも問題ない事は、永遠にやらなくてもいい事と言える場合もある
・「すぐやる」はハイリスク・ハイリターン
・実際のところ「いつ」やるかよりも、「やるか、やらないか」が大事
・間を置くと、「やらない理由」を左脳が考え始めるので、行動を増やすため「すぐやろう」と言われているというのが本質

人と人生
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この記事を書いた人

1968年大阪府生まれ
関西大学法学部法律学科卒業/親の経営する保険代理店に勤務
仕事が上手くいかない時期に、ジョセフ・マーフィー博士の著書に出会う。以来、自己啓発書・ビジネス書などを年間300冊読破
・ジョセフ・マーフィー・プロジェクト/・Read4Action認定ファシリテーター/・フューチャーマッピング/・ジーニアスコード/・ポール・J・マイヤー プログラム/心理学/スピリチュアル/成功哲学/

【著書】親の会社を継ぐ技術~後継者のゆく手をはばむ5つの顔を持つ龍とのつきあい方~(みらいパブリッシング)
【連載】
変革の中の代理店経営~絆~ 新日本保険新聞社/二世経営者の会社改造計画 inswatch/これからの代理店経営を考える3つの視点 inswatch/事業承継 継がせる立場と継ぐ立場 新日本保険新聞/当施代理店気質 保険毎日新聞 /読書トライアスロン inswatch/親子継承のジレンマ 後継者はどう乗り越えるか  月刊ビジネスサミット/経営者online

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