「潜在意識」を活用するという事の2つの意味

人と人生
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知子
知子

潜在意識を活用して成功するって話、けっこう耳にしますけど、どういう事なんでしょうか?

博士
博士

その根拠を最近は、量子力学で説明する人も増えてきてるね。けど、実際のところ、十把一絡げで潜在意識活用というけど、違う意味をあらわしてることも多いと思うんじゃ。

知子
知子

なるほど!だからわかりにくいんですね。

博士
博士

今日は、潜在意識活用の成功哲学について、分類を試みてみようか。

潜在意識を活用するとはどういうことか?

潜在意識活用のキホン

まず、潜在意識活用という話において、ほぼ共通するのはこんな話ではないかと思います。

人間の意識には、自分で認識できる顕在意識と潜在意識がある。
実は人の振る舞いは殆どが潜在意識に委ねられている。
また、潜在意識の可能性は顕在意識に比べかなり大きい。
しかし、潜在意識は自分で意識できないため、これを自由に動かすことは難しい。

それらを動かすために、「ありたい姿をイメージする」「望む状態を口ぐせにする」「憧れの自分に応じた場所でそれに応じた振る舞いをする」などの行動を行う。
そのカギは、「繰り返し刷り込む」「臨場感を感じつつ強く刷り込む」と言ったところにある。

これらの根拠は、様々な書籍をひもといても、
「事例の列挙」
が殆どで、そこに科学的な根拠が提示されることは殆どありませんでした。
しかし、近年に至っては、これを量子力学で説明するような流れもありますが、そこについても後程検証してまいりましょう。

潜在意識活用の二つのレイヤー

潜在意識の活用というと、まず普通の脳の機能としてのそれと、ちょっと不思議な能力といった印象を持つものがあるのではないかと思います。

たとえば、糸につるした5円玉を手で持ちぶら下げます。
これに対して、糸の先の5円玉がぐるぐる回っているイメージを思い浮かべます。
すると、不思議なことに、イメージしたとおり5円玉は回り始めます。

また、バスケットボールのゴール。
身体を動かすことなく、ただイメージトレーニングしただけで、上手になるといいます。

これはいずれも潜在意識の力で、イメージしたことを実現しようと身体が動くのだ、という事がよく言われます。

一方で、イメージしたら、思った通りの金額のお金が振り込まれてきたとか、
理想の異性像をイメージしたら、その通りの人が目の前に現れたとか、
そういったものを潜在意識の力だという場合もあります。

ここでは便宜上、前者を「普通の潜在意識」、後者を「不思議な潜在意識」と呼ぶことにしましょう。
定義としては、コントロール下に置きやすい自分の身体を動かす潜在意識が「普通の潜在意識」。
自分のコントロール下に無いように見える、自分の身体を超えたところからやってくる効果を「不思議な潜在意識」の影響とします

普通の潜在意識と不思議な潜在意識を分けて考える

先にあげた5円玉の例は、普通の潜在意識です。
これを例えにあげて、「イメージすれば不思議な効果が起こって、願望が実現する」という事の証明とするにはあまりに乱暴です。

潜在意識のありかが脳にあるとすれば、脳が身体をコントロールできるのは当たり前の話です。

だから、身体の事とそれ以外の事を分けて考えることにします。
この先は、不思議な潜在意識について、検討をすすめてまいりましょう。

ここで大事なのは、イメージすれば、身体がそのイメージを実現しようという事はわたしとしては疑う余地がないと考えています。

「不思議な潜在意識」は本当に活用可能なのか?

科学的根拠が見えない不思議な潜在意識

潜在意識を活用した願望実現の話では、よくあるのが「想いもがけないところからの援助」がやってくるという話があります。

たとえば、「その飛行機には乗ってはいけない」という声が聞こえた気がして、飛行機を遅らせたら乗るはずだった飛行機が事故を起こした。
金策でずっと困っていたのだけど、毎晩お祈りしていたら、思いがけないところからお金が振り込まれた。みたいな話。

これは、たとえばジョセフ・マーフィー博士は、聖書の言葉に根拠を求めました。
こういった不思議な潜在意識の存在を訴える人はその前にも後にもたくさんいます。
ただそこには、科学的根拠もなければ、統計的な調査もないように思います。

せいぜい、「それで上手くいった」という人の後付け話が殆どだと思われます。

実践的書籍『「感謝」で思考は現実になる』

この業界ではいろんな本がヒットしましたが、その中でも私の記憶に残っているものの一つが、このパム・グラウトのシリーズです。

こうして、思考は現実になる

こうして思考は現実になる 2

「感謝」で思考は現実になる

この本は、小さな望みを一つ一つかなえつつ、その真理を実感し、確信に変え、さらなる大きな望みを手にしましょう、といった構成になっています。

科学的とは言い難いですが、自らの実験をとおして、それがある、という事を感じていこうという趣旨だったと記憶しています。たしかに、科学的であろうとなかろうと、自分の中でそれがある、とわかり、活用できれば十分なのですから、いい視点だと思います。

不思議な潜在意識の恩恵を本当に受けている人がどれだけいるか?

ただ、こういった不思議な潜在意識の恩恵を受けた人がいる、という事を統計として公表されているケースってあるのでしょうか?積極的に調べたわけではないですが、日頃私が接する自己啓発書の中ではそのようなものを見たことがありません。

実はたまたまうまくいった人が、「いつも描いていたイメージ通り!」となって、「イメージしたおかげだ」という人は一定数いるように思います。逆に、上手くいかない、現状維持だ、って人が、潜在意識なんて使えないじゃないかー、ってことを大っぴらに語るか?と言えば多分殆どそんな人はいない。

いわゆる、心理バイアスなんじゃないの?と思うことも無いとは言えません。

不思議な潜在意識のメカニズム

実は不思議な潜在意識の信者

ちょっと不思議な潜在意識の活用について、少し批判的に見ているような書きぶりですが、実は私、不思議な潜在意識の信者ではあるのです。
そんな私が知った時衝撃を受けたのが、量子論です。

量子論の世界は摩訶不思議な世界。
光の性質は、粒でもあり、波でもある、とか
物事の状態は観察者が見たときにはじめて決まる、とか
何だか心霊現象みたいなことがミクロの世界では起こってますよ、っていう事を解明した物理のお話。

物事の結果に人の意思が介在するとか、
光は波なので、同じ波動がどうとか、
まあそんな感じで、量子論が引き寄せの法則や、不思議な潜在意識の効果を証明している、という主張が今すごく溢れています。

まあ、スピの世界の中ではいろんなことをごちゃまぜにして都合のいい解釈をされてるケースも散見されている気もしないでもないのですが……

マルチバースな話も親和性が高い

最近は量子論に押されて下火に感じますが、実はマルチバース説も興味深いものがあります。
マルチバースというのは多元宇宙。
私たちが認識できていない宇宙が他にもある、という話です。
映画では、『インターステラー』や『アベンジャーズ』などで触れられているように記憶しています。

宇宙存在と言われるバシャールのインタビューでは、今生きているのとそっくりでちょっとだけ違う世界でも自分は生きていて、意識はそこを毎瞬行ったり来たりしている、という事を言っていたように思います。不思議な潜在意識の活用というのは、どの世界で生きている自分にフォーカスをするか?という解釈のように私は理解しています。

この説明は、実証が難しいですが、私個人的には何となく納得感があります。

不思議な潜在意識の活用の仕方

メカニズムがわかっても使えなければ意味がない

量子論であれ、マルチバースであれ、波動とか、それ以外であれ、そのメカニズムがわかったところで、使えなければ意味が無いわけです。

そういう意味では、使うことに全振りしたパム・グラウト氏の書籍はある意味秀逸と言えるかもしれません。

私たちにとっては、科学的であろうがなかろうが、それを信じることができて、効果が実感出来ればそれでいいわけです。そこに向かって、検討をすすめてみましょう。

大事なのは「何を望むか」

潜在意識に何かを入力すれば、たちどころにそれが実現する。
もしそれが本当だとすれば、潜在意識に何を入力するかが大事です。
一般的な話の中では、「ネガティブなことを考えてはいけない」と言われます。
けどね。
そんなことできるわけないんです。

人間は、ネガティブな事が気になるようにできているんです。
それは自分の身を守る本能。
だから、そこを気にする必要はあまりないと思っています。

それよりも大事なのが、
「今あなたが望んでいることは、本当にあなたが本当に望むことなのか?」
という事なのです。

たとえば、ある女性が「男性を好きになれない」と言います。
彼女の子供時代を紐解くと、性的虐待を受けたことがあり、男性と距離をとりたいという深層心理があるようです。
表面的には、「男性を好きになりたい、素敵な人と出会いたい」というのですが、心の奥底では「男の人と近づきたくない」というおもいがある。

そして、潜在意識はそれを実現している、という可能性がありそうなのです。

「仕事が思いのほか上手くいかない」と悩んでいるとしたら、
仕事が上手くいかないことで得ているメリットがあったり、
子どもの頃に「シッカリしなければ価値がない」という思いに縛られ、仕事に対して固くなりすぎるという事があったりもするかもしれません。

今あなたが潜在意識を使って実現したいと思っていること、本当に欲しいと思っているのでしょうか?
まずはこの問いをしっかりと受け止める必要があるように思います。
潜在意識は、本心を実現しているのかもしれませんよ、って話です。

脳に望む未来に「慣れさせる」

もう一つ言えるのは、脳は変化を嫌うという事。
イメージすることは、イメージの中の世界に脳を慣れさせる、という意味では価値あることだと思います。これは、普通の潜在意識への影響の方が大きいのかもしれませんが、新しい現実への抵抗を生みにくくするトレーニングとして、イメージングを重ねるというのは有効なような気がします。

人は繰り返しやることは当たり前と感じます。
イメージトレーニングだけの練習でもスポーツは上達することが実証されています。
ならば、ビジネスや、人生も、イメージトレーニングだけでも上達する事でしょう。
つまり、新しいチャレンジへの抵抗は薄れるというのは私自身も体験済みです。

・・・・・・ということで、潜在意識の活用法というのは、どうしても「普通の潜在意識」に関連するものになってきます。

不思議な潜在意識については、たまたまかも知れないし、そうでないかもしれない。
そんな意識を持ったうえで、普通の努力をしていくことで、あればラッキーぐらいの感覚が丁度いいのではないか、というのが今の私の結論です。

さて、現実はいかに・・・

ポイント

・潜在意識活用という言葉には二つのレイヤーがある
・潜在意識を活用して、身体をイメージ通り動かす普通の潜在意識と
・潜在意識を活用して、自分と離れたところの物事を動かす不思議な潜在意識
・「科学的」と言われるが、その再現性をあらわす統計はあまり出回っていないように見える
・根拠を量子論やマルチバースに求めるケースもあるが、それを活用できている人がどれだけいるかは全く提示されない
・イメージングは、脳に希望する未来を慣れさせる効果がある
・本当の望みは、今の望みと同じかは確認が必要ではないか?


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この記事を書いた人

1968年大阪府生まれ
関西大学法学部法律学科卒業/親の経営する保険代理店に勤務
仕事が上手くいかない時期に、ジョセフ・マーフィー博士の著書に出会う。以来、自己啓発書・ビジネス書などを年間300冊読破
・ジョセフ・マーフィー・プロジェクト/・Read4Action認定ファシリテーター/・フューチャーマッピング/・ジーニアスコード/・ポール・J・マイヤー プログラム/心理学/スピリチュアル/成功哲学/

【著書】親の会社を継ぐ技術~後継者のゆく手をはばむ5つの顔を持つ龍とのつきあい方~(みらいパブリッシング)
【連載】
変革の中の代理店経営~絆~ 新日本保険新聞社/二世経営者の会社改造計画 inswatch/これからの代理店経営を考える3つの視点 inswatch/事業承継 継がせる立場と継ぐ立場 新日本保険新聞/当施代理店気質 保険毎日新聞 /読書トライアスロン inswatch/親子継承のジレンマ 後継者はどう乗り越えるか  月刊ビジネスサミット/経営者online

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