GRIT(やり抜く力)という最高の成功法則

人と人生
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知子
知子

人生、思い通りいかずに悩んでるんです~
私、何をするにも才能がなくて

博士
博士

いやいや、ペンシルバニア大学のアンジェラ・ダックワース教授は、物事の成否は才能ではない、と言っとるぞ。

知子
知子

え?そうなんですか?私でも何かを成し遂げられるんでしょうか?

博士
博士

そうじゃな。物ごとの成否は才能ではなく、やり抜く力だ、という事じゃ。
今日は、そのやり抜く力の強さや、高め方について考えてみようか。

GRIT(やり抜く力)こそが最高の成功法則?

イントロダクション

世の中には、様々な成功法則が出回っております。
その中でも、これぞ、という成功法則として鳴り物入りのデビューを果たしたのが、GRIT(やり抜く力)です。

ペンシルバニア大学の心理学教授、アンジェラ・ダックワースは、物事の成功を左右するのは才能ではなく、GRIT(やり抜く力)である、と言います
この記事では、GRIT(やり抜く力)の効力、自分のGRIT(やり抜く力)の高さ、GRIT(やり抜く力)の高め方についてご紹介します。

GRITスコアで予測した英単語のスペル大会

アンジェラ・ダックワース教授は、やり抜く力を数値化するシンプルなテストを開発しました。そこで、子供たちが英単語のスペルの正確さを競う全米の大会の参加者に、やり抜く力をGRITスコアという方法で数値化しました。

結果は、GRITスコアと相関を示しました。もちろん、言語知能指数もこの大会の結果を予想する判断材料にはなったものの、GRITスコアと言語知能指数には相関は見られなかったといいます。
どういうことかというと、

才能があっても、その才能を活かせるかどうかは別の問題

やり抜く力 GRIT(グリット)(アンジェラ・ダックワース

ということが明らかになったといいます。

GRIT(やり抜く力)こそが成功のカギ

成功するものと失敗するものを分けるもの

アンジェラ・ダックワース教授の論文にはこんな公式が記されています。

才能×努力=スキル
スキル×努力=達成

達成に向かうには、努力が2回影響するのです。

陶芸家ウォーレン・マッケンジーは
「最初の一万個は難しいんだよ。それを超えると、少しわかってくる」
と量稽古の大切さを強調します。

作家のジョン・アーヴィングは
「同じことを何度も繰り返すうちに、以前は出来そうもなかったことが、当たり前のようにできるようになる」
と繰り返しがスキルの向上に役立つことを実感しています。

長く走れるか?でその後の人生が予測できる

ハーバード大学の学生130名に、ランニングマシンで5分間走るよう指示する実験を行いました。かなりハードな設定であるため、学生が走れた平均時間は4分で、1分半しか持たない学生もいました。
その数十年後の社会生活への心理的な適応を、学生時代のランニングマシンでのテストの結果から、かなり正確に予測できたといいます。

私たちに備わっている、「やり抜く力」が人生の成功の大きな要素であることは、間違いなさそうです。

GRIT(やり抜く力)を測るGRITスケール

GRITスコアは簡単な質問への回答で導き出せる

GRITスコアは、以下のテストで簡単に算出できます。

①以下の表の質問について、該当する回答に該当する点数を確認します。
②№1~10の回答に対する数字を全部足します。
③合計の数値を10で割ったものがGRITスコアです。

質問まったく当てはまらないあまり当てはまらないいくらか当てはまるかなり当てはまる非常に当てはまる
1新しいアイディアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られてしまう。54321
2私は挫折をしてもめげない。簡単にはあきらめない。12345
3目標を設定しても、すぐ別の目標に乗り換えることが多い。54321
4私は努力家だ。12345
5達成まで何か月もかかることに、ずっと集中して取り組むことができない。54321
6いちど始めたことは、必ずやり遂げる。12345
7興味の対象が毎年のように変わる。54321
8私は勤勉だ。絶対にあきらめない。12345
9アイディアやプロジェクトに夢中になっても、すぐに興味を失ってしまったことがある。54321
10重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある。12345
『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース

GRITスコアは1(やり抜く力が極めて弱い)~5(やり抜く力が極めて強い)の数字で示されます。
アメリカ人の成人のスコアと比べて、相対的な自分の位置がわかると思います。
(日本人は全体的にアメリカ人より低い数値になります)

また、上記の表の奇数の問題にだけ回答して5で割ると、「情熱」のスコアが出せ、
偶数の問題にだけ回答して5で割ると「粘り強さ」のスコアが出せます。

パーセンタイル値グリット・スコア
10%2.5
20%3.0
30%3.3
40%3.5
50%3.8
60%3.9
70%4.1
80%4.3
90%4.5
95%4.7
99%4.9

GRIT(やり抜く力)の本質にある「哲学」

GRIT(やり抜く力)という言葉が独り歩きをしている傾向があるように思います。その結果、何でもかんでもやり抜くことが大事と思われがちです。

しかし、何かを続けるにあたっては、強い思いが必要です。
それは人生や仕事における大きな目標です。
その目標を達成するために私たちは小さな目標達成を積み重ねるのです。

たとえば、起業するという目標を掲げたとします。
その下にはたとえば、「節約する(そのうえで起業資金をためる)」という目標があるかもしれません。あるいは、人脈づくりをするため、「時間を作って異業種交流会に参加する」という今日の目標を立てるかもしれません。
目標というと大げさかもしれませんが、計画というとしっくりくるかもしれませんね。

すべては最終的な目標の達成のため。それはその人の哲学を実現するものと言い換えられるかもしれません。

そこに至る小さな目標のクリアの繰り返しが、「やり抜く」という事だと、アンジェラ・ダックワース教授は説いています。

バフェットの目標達成法

ウォーレン・バフェットがすすめる目標達成法

『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』の中で、アンジェラ・ダックワース教授は、億万長者で有名なウォーレン・バフェット氏が、お抱えのパイロットに説いた目標達成法を紹介しています。

1.仕事の目標を25個紙に書きだす。
2.自分にとって何が重要かをよく考え、もっとも重要な5つの目標に〇をつける。
3.〇をつけなかった20個の目標を目に焼き付ける。そしてそれらの目標には、今後は絶対に関わらないようにする。なぜなら、気が散るからだ。余計なことに時間とエネルギーをとられてしまい、もっとも重要な目標に集中できなくなってしまう。

つまり、大事な事5つに集中せよ、といいます。
そしてそれに一つ、アンジェラ・ダックワース教授自身が付け加えた項目が以下のものです。

4.「これらの目標は、共通の目的にどれくらい貢献するか」と考える。

つまり、自身の哲学のために必要な事だけをやる、という事なのだと思います。

偉大な人と普通の人の決定的なちがい

本書の中で、アンジェラ・ダックワース教授は、偉大な人と普通の人の違いはIQでもなければ、生まれでもないといいます。紹介されているのはスタンフォード大学コックス教授の研究です。
偉人とそうでない人の決定的な相違点を以下の4つに分類しているそうです。

・遠くの目標を視野に入れて努力している
・いったん取り組んだことは気まぐれにやめない
・意志力の強さ、粘り強さ
・障害にぶつかっても、諦めずに取り組む。

これらは前述のGRITスケールの項目に含まれているようです。
つまり、成功法則としてはかなり汎用性の高いものというのが、「やり抜く力」と考えられそうです。

GRIT(やり抜く力)を高める方法

やり抜く力の強い人に共通する4つの特徴

まずは、やり抜く力が強い人の特徴を見ていきます。

①興味

自分のやっていることを楽しむことで、情熱が生まれます。

②練習

「昨日よりも上手になるように」と日々の努力を怠らない。

③目的

自分の仕事は重要だと確信してこそ、情熱が身をむすびます。

④希望

希望は困難に立ち向かうための粘り強さ。

やり抜く力の強い人を模倣する

やり抜く力を育てるには、シンプルに鉄人に倣うことが大事です。

興味を持つ

まず、やり抜くことに対する興味を持つこと。
自分の仕事を好きになれ、というのはよく言われる話です。実際に、自分が興味関心を持っているところで仕事をすると、パフォーマンスが高くなることもわかっています。

そうなり切れないときは、目指すところを変更することも必要かもしれません。
しかし、「やりたいことがわからない」という人も多いと思います。
しかしそれは、自分で内省しても見つかりません
多くの場合は、外の世界とのコミュニケーションの中で見つかるもの。

なにごとにも関心を持ち、色んなところに出かけることが大事と考えられそうです。

練習する

練習することで、成長の実感を得ることができます。
成長を求めるのは人の本質的な性質です。
とにかく、動き出す。
そして、成果をねぎらう。
そんなサイクルを回しつつ、状況を改善していくことが出意地です。

目的を定める

目的は多くの場合、「他人」にあります。
人のため、という時に人はこれまで以上のの力を発揮します。
ただ、単に「利他の心」といっても、なかなかそんな気にならない人もいると思います。
これは私の個人的考えですが、利他の心を持って行動する自分が褒められるイメージを持つと、入り口としてはいいのではないか、と思うのです。

承認欲求を満たすために世界平和を訴える、というのもアリだと思うのです。
入り口はそんなところからでいいのではないでしょうか。

希望を持つ

悲観的な人と、楽観的な人、比較すると後者が幸福度が高い、という事が言われます。
悲観的なことが悪い事ではありませんが、「どうせ無駄だし」なんて思っていると、やり抜く力は発揮できません。未来に楽観的になるよう気を付けてみましょう。

まとめ

様々な調査において、IQをはじめとした資質がその人の成功を導くとはいいがたいという結果が出ています。ただその中でも、GRIT(やり抜く力)は、結果と相関しているといいます。
このやり抜く力は、対象となる行為に、興味を持ち、練習をし、目的意識をもって、希望を持つことで強化されるといいます。

そのためには、行為の対象を愉しむこと。あるいは、楽しめることをやるべきことに選ぶことが重要。
そもそも、日頃から好奇心を育てるべく、様々なものに関心を持ち、行動していくことが大事だと感じます。

そしてこれだ、と思ったことは、繰り返し実行し、成長している実感を得るようにし、その行為が最終的な自分の大きな目的につながることをイメージし、たとえ、上手くいかない時期があっても楽観的に未来に希望をもって接する。

そんなところから、人は、あるべき成功に導かれていくのではないでしょうか。

参考文献

『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース

TVCMで話題のココナラ

1968年大阪府生まれ
関西大学法学部法律学科卒業/親の経営する保険代理店に勤務
仕事が上手くいかない時期に、ジョセフ・マーフィー博士の著書に出会う。以来、自己啓発書・ビジネス書などを年間300冊読破
・ジョセフ・マーフィー・プロジェクト/・Read4Action認定ファシリテーター/・フューチャーマッピング/・ジーニアスコード/・ポール・J・マイヤー プログラム/心理学/スピリチュアル/成功哲学/

【著書】親の会社を継ぐ技術~後継者のゆく手をはばむ5つの顔を持つ龍とのつきあい方~(みらいパブリッシング)
【連載】
変革の中の代理店経営~絆~ 新日本保険新聞社/二世経営者の会社改造計画 inswatch/これからの代理店経営を考える3つの視点 inswatch/事業承継 継がせる立場と継ぐ立場 新日本保険新聞/当施代理店気質 保険毎日新聞 /読書トライアスロン inswatch/親子継承のジレンマ 後継者はどう乗り越えるか  月刊ビジネスサミット/経営者online

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この記事を書いた人

1968年大阪府生まれ
関西大学法学部法律学科卒業/親の経営する保険代理店に勤務
仕事が上手くいかない時期に、ジョセフ・マーフィー博士の著書に出会う。以来、自己啓発書・ビジネス書などを年間300冊読破
・ジョセフ・マーフィー・プロジェクト/・Read4Action認定ファシリテーター/・フューチャーマッピング/・ジーニアスコード/・ポール・J・マイヤー プログラム/心理学/スピリチュアル/成功哲学/

【著書】親の会社を継ぐ技術~後継者のゆく手をはばむ5つの顔を持つ龍とのつきあい方~(みらいパブリッシング)
【連載】
変革の中の代理店経営~絆~ 新日本保険新聞社/二世経営者の会社改造計画 inswatch/これからの代理店経営を考える3つの視点 inswatch/事業承継 継がせる立場と継ぐ立場 新日本保険新聞/当施代理店気質 保険毎日新聞 /読書トライアスロン inswatch/親子継承のジレンマ 後継者はどう乗り越えるか  月刊ビジネスサミット/経営者online

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